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第15.1回目
皆様、明けましておめでとうございます。良いお正月を過ごされたと思います。
なにわのこにたんです。年末から、景気に連動するように寒さが厳しくなりました。
あなた、ご自身の『クレジットスコアー』をご存知ですか?え、何それ?
知ってなくても大丈夫。アメリカで個人の信用の度合いを示す基準です。
今日は、サブプライムローンを実際に売った男の告白ですよ。
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リチャード・ビトナー/ダイヤモンド社
『サブプライムを売った男の告白』
ISBN978-4-478-00589-7
リチャードはGEキャピタルやGMAC(ご存知GMの金融子会社)で
住宅金融の仕事に9年携わった。その後、サブプライムローン会社を設立して、2005年に事業から撤退した経験を持っているサブプライムローンのまさに生き字引のような人じゃ。
GEキャピタルでは信用度の高い借り手を商売にしていたが、
GMACでのニッチ金融の世界に入り、ファニーメイやフレディマックの
貸し出しガイドラインにあわないローンを購入していた。
しかし、初めてサブプライムローンについて知ったとき、
こんなローンを扱うのは道徳感の低い人間か、頭がどうか
している人間だろうと思っていたようなんだ。しかし、彼は・・・。
前書きには、強烈なメッセージが書かれてるよ。
2007年8月に筆を執った時に感じたのは
近代市場、最悪のビジネスの崩壊を
米国が経験しようとしているということだった。
<業界の端から端まで広がる、体系的な問題の結果であること。>
<全米国人の65%が住宅を所有しているせいで、
これまでにないほど多くの人に広範囲の影響を与えた。>
<不動産市場の現在の下落が止まって損益の計算がされたら、
損出額は、何兆ドルにもなるだろう。>
何でそんなに不動産市場が過熱化したのかって?
ブッシュ大統領は、クリントン前大統領のように、在任中に株価をあげることができなかそうじゃ。戦争ばっかりして、おまけにその費用を米国国債を大量に発行し、日本や中国に買わせていたんだから始末におけん。米国自体が借金体質だったわけ。日本の血税もアメリカに行ってしまったのだ。そこで、ブッシュ大統領は名案をおもいついちゃった。アメリカンドリームの一つである住宅を持てることを合言葉に、住宅の建設をどんどん行い不動産価格の上昇をてこに、景気を上昇させていったんだね。購入層も老人やヒスパニック、黒人と、今まで購入できなかった人も購入していった。ただし、信用度(お金を貸すほうから見た)の低い人には、金利は最初は低くてある時期から高くなる、いわゆるアドバルーンローンをどんどん貸していったのです。120日間返済を滞納すると、自宅は競売にかけられて自宅を失うんだよね。貸す時には、不動産市場はますます価値が上昇するから、数年で自宅を売却すれば儲かるよという甘い勧誘もあったそうな。2009年には、サブプライムローンの200万件が不払い、競売になるかもしれないというまことしやかな予測が出ているそうじゃ。
では、まず、クレジットスコアの勉強をしてみよう。
<クレジットスコアー>
信用力の特典。サブプライムローンの借り手のクレジットスコアーは
500点から620点で、500点未満の消費者は融資を受ける資格が無いとされる。
いくつかの評価項目がある。
(1)過去12ヶ月の住宅歴
(2)米連邦破産法第7章か13章による破産からの年数
(3)抵当流れの履歴
(4)過去24ヶ月のクレジットの状況
(5)最大の借入金比率(LTV)
要するに、期日までにローンを返済しているかとか、
ローン返済の記録がいくつかあるとか、借りる人の
信用(返済できる収入かももちろん評価するよ)を
見るわけだね。怪しそうな人に、ローン会社は
金を貸さないわけじゃな。
プライムローンで貸せない人に金利の高くなる
サブプライムローンを販売して市場を広げていたわけ。
それでももちろん自宅を買えない人もいたそうじゃな。
サブプライムローンの借り手の多くは、
(1)返済が滞る
(2)(信用履歴等の)条件が不足している。
(3)(離婚や事業の失敗、大病等)困難を背負った人生
(4)不運(請求書の支払いを留守にした忘れたとか)
を経験した人だったんだそうだ。
でも、信用度の低い人が、なぜ、クレジットスコアーを
クリアーしたのだろうか、疑問だよね。それは・・・。
ブローカーがレンダーをごまかすために、借り手の
(1)不都合な返済履歴を消した。
(2)他人の良い返済履歴を載せた。
(3)収入を水増しした。
(4)物件評価価格を吊り上げることを画策した。
ようするに、詐欺まがいなことをどんどん行ってしまった。
ブローカーの質が悪いんだよね。
それでも、投資家が儲かるためにどんどんその債券を購入した。
一方、借りた人も不動産価格が上昇しているときは、物件評価額と
ローン残債との差額を上積みして借りられる(エクイティー)という
いわゆる『住宅はATM』効果で生活を謳歌していた。しかし、不動産価格が
下落した時には、恐ろしいことが待っていたのさ。負債のみが大きくのしかかり
個人が倒産してしまった。まさに、天国と地獄だよね。
実際の住宅ローン業界の購入のプロセスは、(食物連鎖をイメージしているよ)
(1)借り手(家を購入する人)は仲介業者(ブローカー)か
レンダーに申し込む。
(2)モーゲッジブローカーはレンダーを利用して住宅ローンを探す。
(3)レンダーは住宅ローンを貸す。
ここまでならば、信用度の低い借り手だけで市場規模は大きくならなかった。
しかし、これにウオール街のつわものが参加してきた。リーマンブラザーの
登場。これに加え、メリルリンチやベアースターンズも参入。
住宅ローンを債権化し、細切れにして、優良債券(格付けの高い債券)に
紛れこまさせてきて、信用度の低いサブプライムローンを蓑に隠して、
信用度を高くごまかしてしまった。しかも高利回りときている。
格付け会社も、詳細までみずに、高格付けしてしまったし、投資家も
喜んで、高格付け(投資適格債権)で高利回りときて、買い捲って
しまった。
なぜ、食物連鎖と呼んだのか良く分かるよね。弱肉強食。でも、結局は、
金融工学の手法で、世界のGDPの10倍も大きい実態のない投資市場に
膨れ上がってしまった。(もちろん、サブプライムローンはその一つで
あるだけで、他に、色々な債券をつくっていった。怖いCDSも次に待っている。)不動産市況が崩れると
当然、返済できない借り手が自宅を追い払われてしまったのじゃ。
気の毒だけど、もともと、買えない人が買ってしまったという悲劇とも
とらえることができるのじゃ。
住宅市場の好況により、中国産業も潤っていた。受注が急減して、
今は、巷に失業者の群れ。この通り。
不動産市場も株式市場も商品市場も、気がつくと泡沫(正のバブル)は
結局、むなしく、また、過去と同じようにはじけ飛んでいった。
今日は、時々、日本昔話風の文体も混ぜてみたが、どうじゃったかな?
怖い話じゃの~。
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ここまで読んでくれた方には、感謝いたします。
メタポーチが新しい家の借り換えをしたい
といっています。お前は、クレジットスコアーが1(ワン)だから犬小屋で満足しなさい。ウサギ小屋よりいいだろ???
4回吠えても、1111点にはならないってさ。
ワンがフル。
今年も風邪やインフルエンザがはやっていますので、
お体をご自愛ください。(なにわのこにたん)
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あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。また、こにたんさんの立ち読み通信、楽しみにしています。
今回の昔話風な文章、よかったです! 難しい話でもなんだか簡単そうに聞こえますよね。
サブプライムローンのお話、コワーいですね。 これ以上景気が悪くなって私や主人の会社に何かあったら、ホント人ごとではないですワ~
もしかしたらに期待して、昨日「ロト6」購入してみました。今3億ぐらいキャリーオーバーがあるようで・・・・
正月早々、マックスバリューの駐車場でハトの巨大ウンコが車に直撃していました。
なんだか今年はウンがありそうな気がする~!!
では、また。
> あけましておめでとうございます。
> 今年もよろしくお願いします。また、こにたんさんの立ち読み通信、楽しみにしています。
> 今回の昔話風な文章、よかったです! 難しい話でもなんだか簡単そうに聞こえますよね。
> サブプライムローンのお話、コワーいですね。 これ以上景気が悪くなって私や主人の会社に何かあったら、ホント人ごとではないですワ~
> もしかしたらに期待して、昨日「ロト6」購入してみました。今3億ぐらいキャリーオーバーがあるようで・・・・
> 正月早々、マックスバリューの駐車場でハトの巨大ウンコが車に直撃していました。
> なんだか今年はウンがありそうな気がする~!!
> では、また。
サブプライムの話しを書いて自分で読んでみたら、恐ろしいことが淡々と書いてしまったなと反省してしまいました。そこで、『昔々、アメリカという国で・・・。』という風に日本昔話風にアレンジしてみました。案外、怖い話しもそれなり読めてしまいますね。一度、色々な人の文体を練習してみます。こにたんとしては、司馬遼太郎風がいいかななんておもっていますよ。
明けましておめでとう御座います!
波乱の年末から年始へ、、。今年は何が起こるのかホントに分かりませんね。
この記事を読んでみると質の悪い小口証券化された商品にAAAという飾りを付けたS&P等の評価会社の事が思い浮かびました。
信用、、、。世の中は信用で成り立っているのだとヒシヒシ感じる今日この頃です。
> 明けましておめでとう御座います!
> 波乱の年末から年始へ、、。今年は何が起こるのかホントに分かりませんね。
いつも立読みありがとうございます。
おっしゃるとおり、世の中、信用と実績で成り立っています。一回の取引ではなく、長い取引の中で、実績をあげ信用を得るのがビジネス(商い)だと信じております。お客様とは長い、LTV(Life Time Value)をお互いに築いていきたいものです。株式や債券は、配当等の実需ベースであれば(利回り)常識的ですが、キャピタルゲインを目差すとバブルになりやすく、勝者に対しての敗者はお客様というゼロサムゲームです。通常の商売における売り手とお客の関係ではありません。実に弱肉強食の世界です。浮利は追わずとの言葉をひしひしと感じます。売り手、買い手、仲介の三方がお互い良くなることが根本であると近江商法の基本であると言われているようです。
ビジネス、人間が5000年位の間にわたり行ってきた行為です。過去、歴史を紐解けば、基本は、今も、昔も根底は変わらないと思います。ICT、クラウドコンピューティングと手段は変われども、結局、お話すること、コミュニケーション、信頼から人間は成り立っているのではないでしょうか。人と人の付き合いであり、数字で付き合うと相手も同様に数値で反応してきます。格付けも同じかな?年金も弱肉強食の世界で利回りを稼いでで何ぼの世界ですので、どこかで破綻してしまいます。世界の大暴落で次にくる恐ろしい話は、デフレの失業もありますが、若い世代の数が少なく支えきれなくなる前に年金が支払われなくなることも念頭に考えたほうが良いかもしれません。日経の一面に日立の年金の惨状が掲載されていました。これからは、ますます、国が会社がという考え方から、個人、自分自身が資産、稼げる人になることがますます要求される、本物から本当の時代に突入しそうな気配を感じます。
なにわのこにたん